大阪桐蔭よりも驚異的!?アマチュア野球界の王者、中京高校軟式野球部とは?

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100回目を迎えた夏の甲子園は根尾昂、藤原恭大など高校野球界の屈指のスラッガーを擁し圧倒的な強さを誇った大阪桐蔭が史上初二度目の春夏連覇を果たし、幕を閉じた。

 

今や、高校野球大阪桐蔭といっても過言ではない。

 

同校の指導者である西谷浩一監督の甲子園の歴代通算勝利数(55勝)が智辯和歌山高校(和歌山)で今夏まで監督を務め、68勝にも及ぶ最多勝記録を持つ高嶋仁監督を抜かす日も遠くはないはずだ。

 

 

7回にも及ぶ甲子園優勝回数はひと昔前に一世を風靡したPL学園の元監督中村順司の記録に並んだ。

 

 

そんな平成の高校野球大阪桐蔭となった裏側で、アマチュア野球界のトップに君臨する高校がもう1つあるのをご存知だろうか??

 

中京高校軟式野球部

 

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(同校ウェブサイトより引用)

 

数年前に、中京学院大学附属中京高校と校名を改めた同校は岐阜県瑞浪市に校舎を構え、古くから野球の強豪校として知られている。

 

硬式野球部のOBには、福岡ソフトバンクホークス松田宣浩城所龍磨読売ジャイアンツの吉川尚輝など、近年プロ野球界で活躍する選手も少なくない。

 

だが、硬式野球部は2016年の夏の大会を境に、甲子園出場からは遠ざかっていて、お世辞にもアマチュア野球界トップとは言い難い。

 

では、なぜこの学校をアマチュア野球界トップだと言い切れるのか?

 

勘がいい野球ファンの方はすでにお気づきだと思うが、中京高校は日本でも指折りの超強豪軟式野球部があることで知られている。

 

これまで「もう1つの甲子園」と呼ばれる夏の全国高校軟式野球大会で実に全国制覇を成し遂げること8回。秋の国民体育大会で4度の優勝を誇る超強豪校なのだ。

 

特に2010年から2017年までの成績は驚異的で、8年間で4回の全国制覇を遂げた。

 

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(中京高校軟式野球部の成績、同校ウェブサイトより)

 

ホームランが少ない軟式野球において、投手力と守備力は生命線と言われている中で、同校は毎年好投手を擁し、全国のトップに躍り出る。

 

夏の全国高校軟式野球大会は、阪神甲子園球場からわずか40キロ離れた兵庫県明石トーカロ球場で毎年夏の甲子園が閉幕する8月下旬に開幕する。

 

63回の歴史を誇り、全国47都道府県を16の地区に分け、その代表が優勝旗を争う。

 

まさにもう1つの甲子園なのだが、この夏の全国大会開催期間中は、甲子園閉幕直後。

 

毎年、U18日本代表が話題をかっさらっていってしまい、どれだけ好成績を収めようが軟式野球大会は毎年影を潜めてしまう。

 

今年も中京高校にとって、史上3度目となる夏の二連覇がかかっていたのだが、そんなことを知る人はほとんどいないだろう。

 

野球の話題といえば、金足農業の吉田輝星や大阪桐蔭の根尾、藤原らがU18アジア選手権に向けて調整する映像ばかりだ。

 

唯一、話題になったのは、2014年大会。

 

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この年も中京高校がエースの松井大河くんを擁し、全国制覇を遂げた。

 

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準決勝では広島代表の崇徳高校と延長50回、4日間に渡る死闘を繰り広げた。

 

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(2014年の報道ステーションより)

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その際には報道ステーションアメリカでも報道がなされ、バラエティ番組にも取り上げられ、最終的には書籍化も成されたのだ。

 

 

 

さらに、日本ハムファイターズのスカウトが松井くんの調査を始めるなど、2014年の高校野球を語る上で切っても切り離せないイベントになった。

 

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(2014年大会のエース、松井大河くん、同校ウェブサイトより引用)

 

あのとき以来、この軟式野球大会が全国的に話題になったことはあるのだろうか?

 

実は、数日前、この中京高校が9回目の夏の全国高校軟式野球大会優勝を飾ったのだ。

 

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(同校のウェブサイトより)

 

史上三度目となる夏二連覇、そして、エースの佐伯くんは二年連続全国大会の全試合を完封勝利で飾ったのだ。

 

9回目の優勝、三度目の二連覇。こんな偉業を成し遂げたチームが他にあるだろうか?

 

大阪桐蔭が、2012年春夏、2018年春夏と2017,18の春連覇と三度の連覇を達成しているが、大阪桐蔭と中京高校軟式野球部以外にこれ以上の成績を収める学校はない。

 

出場チームや絶対数が少ないといったらそれまでだろう。

 

だが、高校、大学、社会人、アマチュア野球界のどこをみても、ここまで圧倒的な成績を収めたチームは他にない。

 

甲子園という輝かしい舞台で大阪桐蔭が圧倒的な強さを誇る裏側で、どこよりも驚異的な成績を残している軟式野球部があるということを心の何処かに書き留めておいてほしい。

 

 

そして、甲子園の閉幕と同時に「あ、そろそろ、軟式野球も全国大会の時期か」と少しでも思い出していただけたら、幸いだ。

 

大阪桐蔭は間違いなく日本の高校野球界を引っ張っていく存在となり、今後野球界の歴史に名を残す学校になる。

 

だが、中京高校も同じように軟式野球界を引っ張り続け、爪痕を残そうとしている。

 

軟式野球の発展、そして中京高校軟式野球部の認知度が上がっていくことを1人の高校野球ファンとして心より願っている。