【食糧不足編】ココアパウダーを直接口に流し込み、ツナ缶とバナナのみで生き延びたアマゾンサバイバル生活

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前回までのあらすじ

 

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アマゾン川の源流、ペルーのアタラヤ村から600km先の街"プカルパ"をいかだで目指す旅。

4日目の途中、私たちは猟銃を持った強盗の襲撃に遭い、現金を奪われ、精神崩壊。

もう二度と同じ目に遭いたくないといかだ下りを中止することを決意するものの、村を発見ですが、やめ方がわからない2人。

二人が出した結論は昼夜いかだを流し続けてとにかくゴールを目指す、そんな地獄の4日目ですが、また新たな試練が待ち受けていました。

 

 

アマゾン川いかだ下りの話をすると必ずと言っていいほど"何食べてたの?"と聞かれます。


毎晩どこかにいかだを泊めて宿に泊まるわけでもありません。最初地図で調べた限り、スタート地点であるアタラヤ村からゴールのプカルパまでは大きな街は無く、食料が途中で調達できるかもわかりませんでした。

 


とりあえず7日~10日耐えれるだけの食糧を確保しようと、私たちはペルーの首都リマに滞在している間に

 

乾麺、米、缶詰、スナック類

塩、砂糖、ケチャップなどの調味料

そして非常用と言いながらも役に立ったインスタント麺を買いました。 

 

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(リマで購入したアマゾングッズです)

 


その他、アタラヤ村を出発する直前に飲料水40リットルと火を起こすセット、バナナなどの果物類を購入し万全の状態でいかだ下りをスタートした

 

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(器、鍋をなどを購入する際)


はずでした。

 


初日から3日目までは準備の甲斐あって、シェフJくんが少ない材料にも関わらず毎晩美味しい夕食を振舞ってくれました。(残念ながら、真暗闇の中、蚊と戦いながらご飯を食べていたので写真がありません)

 

 

ただ、4日目、悲劇が起きました。


火がつきません。


火を起こすために準備したダンボールや新聞紙が毎日やってくるスコールや、強盗のボートに突っ込まれた際に水浸しになってしまいました。

 


湿度90%のアマゾンですから、どれだけ晴れていても一向に乾きません。 

 


そして、ぼくらは重大なことに気づきました。

 


"ぼくらの食糧では火がないと何も作れない"

 


4日目の夜の時点でパスタ1キロ、米約1キロが残っていました。あと4,5日は生きられるであろう食糧ですが、私たちには火がありません。

 


この日の夜はイワシ缶1缶を二人で分け合い、バナナを一人一本ずつと残っていたオレオを食べました。

 

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5日目の朝、改めて残りの食糧を確認しました。


スナック類に関しては"どうせ、冒険中は暇だから毎日ティーパーティーですよね!"などとふざけながらも、かなりの量を買い込んだはずでしたが、初日から色んな人に会うたびに"お菓子いる? お菓子あげるよ!"と会う人会う人にお菓子をプレゼントしていた私達。


気づいたら残りのスナックはピーナッツ1袋、オレオ2袋だけになっていました。


ほかに食べられそうなものといえばツナ缶と先住民から貰ったバナナくらいでした。

 

ただ、この先住民がくれたバナナ、なんと火を通さないと食べることができないバナナでした。(生で食べました)


ツナ缶は5日目の時点で残り三缶、バナナは相当な量がありました。


"これ、持って3日くらいですね"  


3日、つまり8日目までにゴールしないとぼくらはアマゾン川で飢え死んでしまうかもしれない。という予想でした。


火が起こせず、料理もできません。いかだの上でとにかくやる事がなくなってしまった二人。


ただ、前日決めた通り、暗闇の中いかだを流し続けたら夜はかなりのスピードでいかだが進むことに気づいた私達。夜を待てば、いかだは進むんです。

 


昼間はひたすら昼寝したり、音楽を聴いたりととにかく"無"の状態で時間が流れます。

 


前日までは"いかだが進まない!"と躍起になっていた私も"夜まで待てばいかだは進む"と信じて、木に引っかかろうが、いかだがどう進もうが昼間はlet it be。

 

ついには、いかだを漕ぐパドルにすら触れることがなくなりました。


そして、夜ごはんの時間です。この日の夜はツナ缶一缶を二人で分け、バナナとオレオを食べました

 

 

 

 

今では、ツナ缶を見るたびなアマゾン川を思い出すようになりました。

 

 


そして、この日夜オレオは無くなりました。


ここで、空腹に耐えられなくなったJくんが驚きの行動に出ました。


"しょーご、これ美味いでー"


何を食べているのかと見ると、

 

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なんと茹でる前のインスタントラーメン。あの硬いままの麺の砕いて食べ始めました。

 

ベビースターならわかるけど、味の付いていないタイプですw 


5日目の夜もいかだはかなり前進し、7日目の夜、または8日目の昼のゴールが現実味を帯びてきました。


6日目も朝はバナナ、夜はツナ缶1缶とバナナ。


前日Jくんがインスタントラーメンをかじっていたのに驚愕した私ですが、翌日にはすぐ限界を迎え、二人でインスタントラーメンをかじりました。ここまで来ると、何を食べても意外と美味しい。

 


そして、この日どうしても甘いものが食べたくなった二人、ただお菓子は底をつき、甘いものは一切ありません。カバンを漁り見つけたのは"Jくん、これ役に立つかもですよ!"と私がリマのスーパーで衝動買いしたココアの作る粉でした。

 

本当に役に立ちました。


粉を直接口のなかに流し込み、水を口の中に含み、自分の口の中でココアを作りました


役に立ちましたし、久しぶりに甘いものを口にできわずかに幸せを感じたものの、さすがにこれは辛かったです。


7日目の朝、行き交う船の数がこれまでよりも明らかに増え、いよいよゴールが近づいてきました。


二人ともとにかく早くゴールしたいの一心でした。

 


理由は1つ、"そろそろちゃんとしたご飯が食べたい."

 


7日目いかだの上で話した事といえば

 


"とりあえずリマ戻ったらチャーハン食べたいですよね" (ペルーはチャーハンが有名)

 


"プカルパ着いたら何食べますか?"

 


"プカルパ着いたらアイス食べたいですね"

 


"とりあえず甘いもの食べたいですね"

 


"サンフランシスコの〇〇って日本食屋さんが美味しくて〜" 

 

"大阪は食べ歩きが有名で〜"


など食べ物の話で持ちきりでした。


7日目の夜にゴールできると信じて、この日のお昼、ぼくらは"ピーナッツ"を食べました。

 

ただのピーナッツでしたが、


"お昼ご飯食べれるとかめちゃめちゃ幸せじゃないですか?"


"ピーナッツとか豪華すぎません?"

   

実際の私たちの会話です。


そもそもお昼ご飯を食べる事できた時点で豪華なわけです。

 

ましてや5日目、6日目をバナナとツナ缶で繋いだ二人ですから、ピーナッツを食べれた時点で幸せだったわけです。


夕方になり、ゴールまでもう数十キロという地点まで到達していました。


最後の蚊との闘い、そして最後の晩餐、この日のご飯もツナ缶一缶を二人で。もう慣れっ子です。


夜になりかなり遠くかですが人の声や音楽が聴こえ、そして空が明らかにいつもより明るい。間違いなくプカルパです。

 


ここで寝たら寝過ごす。

 

といいつつ、仮眠を取ろうとする二人。


プカルパはまだかまだかと待ちつつ、最後の大きなカーブを曲がると

 

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もの凄い灯が。

 


かなり遠いですが、見えました

 

あれがプカルパ、ゴールです。

 

次回、いかだ下り最終回、高速船に激突!?衝撃のクライマックスです。

 

 

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お楽しみに

 

読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

【恐怖の宴】アマゾン川の強盗たちとお酒を飲んだ話

 

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前回までのあらすじ。(リンクはこちら)

 

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アマゾン川の源流、アタラヤ村から600km先の街"プカルパ"をいかだで目指す冒険。

第3の村センパヤ村を目指す途中、猟銃を持った強盗に襲撃され、無一文になった私と相方Jくん。現金を奪ってボートで逃げ去ったはずの強盗でしたが、彼らはなんと数分後に私たちの元へ再び戻ってきたのでした。

 

 

1回目の襲撃よりも明らかに速いスピードでこちらは向かってくるボートは、いかだの壁に衝突しました。

 

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(ちょうどこの横の壁部分にボートが衝突し、壁が壊れました)

 

再び私たちのいかだに乗り込んで来た強盗2人組。

 

ただ、今回は銃は持っているだけでこちらには向いてません。

動揺する私たちに"まぁ落ち着いて、落ち着いて、大丈夫だから"といった様子でぼくらを落ち着かせて、おじさんが次に発した一言は衝撃的でした。

 

 

"なんかごめんね"

 

 

あれ??? 

 

 

強盗だよな? 強盗って人から物を奪ったら謝るのか? 

 

"おれらも生活かかってるんだよね〜" みたいなことを真面目な顔で話し始めるおじさん。

 

状況がイマイチ把握できていませんでしたが、

 

血走った目をした若い子が"銃はおれが管理する"と言い、銃を手に取ろうするとおじさんは"いやこれはもういらない"と自分のボートに銃を置き、ぼくらを攻撃する気はないという意思表示をしました。

 

とりあえず、まだまだ怖かったので買っておいたピスコを差し出す私。

 

"まぁおまえも飲みなよ" と再びぼくとJくんにピスコを差し出すおじさん。

 

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(このようなボトルに入ってるアルコール40%のピスコです)

 

完全にマンガで観たことのあるような世界です。(でも実話です)

 

その後、何処から来たのか、何日いかだに乗っているのか、どこへ行きたいのか、の他に"もう危ないから次の村でやめる"事も話しました。

 

おじさんはとにかく"悪い事してしまった"といった様子で何度も僕らに"悪かった"と謝ってきました。

 

謝るなら最初からやるなよ〜 なんてその時は思いもしませんでした。とにかく早く自分たちの元から去って欲しい、その一心です。

 

ただ、お金を返す気はもちろんなさそうです。

 

だって、彼らの言う通り強盗も生活かかってるもんねw

 

15分ほど酒を飲み交わした後、彼らのボートに引っ張ってもらい、川の真ん中に。ぼくらは結局彼らのおかげで、生きたまま冒険を再開できるようです。

 

そして、なぜか彼らと最後に握手を交わし、彼らは去っていきました。

 

忘れてはいけません。彼らは1時間前ぼくらに発砲した強盗です。

 

というアマゾン川で起きた嘘みたいだけど全部本当に起きた物語です。

 

その後、ぼくらは終始無言。やめる事だけを考えて通る高速船、タンカー1隻1隻に"Ayuda!!! (助けて)" と手を振り助けを求めましたが、彼らに声が届くはずもありません。

 

行き交うタンカーの操縦士たちは毎回笑顔で手を振り返してくれました。ありがとう

 

さて、助けを求めても中々助けてもらえないのが、いかだ下りです。

 

助けてもらうよりも、ゴールを目指していかだを流し続けたほうが速いかもしれないという結論に至り、この日から夜も停泊せずに暗闇の中いかだを流し続けることにしました

 

夕方になり、蚊との戦いが終わり、とりあえずご飯でも食べて元気を出そうとしたときでした

 

そして、また新たなトラブルに気づいてしまったのです、、、

 

なんと、火を起こすための紙や段ボールが無くなっているじゃありませんか

 

ご飯がない

 

地獄の4日目、まだまだ続きます

 

次回: "アマゾン川、食糧不足編" です。    

 

 

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読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

【後編】アマゾン川で先住民に襲われてマジで死にかけた話

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前回までのあらすじ(リンクはこちら)

 

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アマゾン川の源流、ペルーはアタラヤ村から600キロ先の街プカルパをいかだで目指す旅は4日目に突入。私たちは中間地点になる第3の村"センパヤ村"を目指しますがこの日もいかだが進まず。岸に流され、困っていたところに猛スピードでぼくらに向かってくるボート。

なんと先頭には銃を構えた強盗らしき人が。。。気づいたときにはボートは数メートル先まで接近しており、私は銃撃を恐れて慌てて川に飛び込んだのでした。

 

 

銃を発砲した彼らはぼくらのいかだの周りを何周も旋回します。素晴らしいハンドルさばきでした。敵ながらあっぱれです。ぼくらの事を本気で殺そうとしていたかは未だにわかりません。

 


なんとか銃撃を免れようと、川に飛び込んだぼくは川の中からいかだの外側にしがみつき、Jくんはいかだの壁に隠れました。

 


(Jくん談ですが、強盗は川に向かって発砲していたようなので、川の中にいた私のが危なかったようです)

 

数秒後には銃持った方のおじさんが、いかだに乗り込んできました。完全にいかだがジャックされました

 


おじさんのほうは、いかにも猟師という感じの格好でした。黒のシャツ、黒のズボンに長靴、そして5センチ口径のどデカイ猟銃。銃は間違いなく動物用です。

 

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恐る恐る、両手をあげながらいかだの上にあがると、Jくんがまさにこの写真のような感じでおじさんに銃を向けられていました。

 

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ぼくもJくんの隣で、山賊が持っていそうな刀を首元に突きつけられて動いたら死ぬみたいな状況になってしまいました。(個人的にはナイフ少年のが目が血走っていて怖かったです)

 

 

"あーこんな感じで自分は死ぬのか"と思いつつ、少しだけスペイン語が話せるJくんと強盗の会話をとりあえず聞くことに。とりあえず死にたくな

 

 

当時、わたしはスペイン語ゼロだったのだほぼ何を話しているのかわかりませんでしたが、会話の感じや口調から汲み取ると

 


"おまえたちこんなとこで何やってんだ"

 


"危ないだろ"

 


みたいな内容で、どうもぼくらは強盗にいかだ下りは危ないことだと怒られているんだなというのはわかりました。 

 


そのあと、しばらく会話を続けようと試みましたが、少しでも逆らおうものなら撃つぞみたいな状況でした。

 

現に、2回ほど本気で撃たれそうになり、"ちょっと待って、ちょっと待って!"という展開になった記憶があります。


しばらくして、"まぁおれら強盗だし、とりあえず金出してもらおか"といった雰囲気になり、テントの中からお金を出すフリをする私。

 

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(この赤と青のテントの中に全ての貴重品が入ってました)

 

ところが、このときわたし一銭も現金を持っていませんでしたw 

 

用無しだと判定され、撃ち殺されるかな?などと考えながらも、とにかく無一文だということを証明するために、財布ごと強盗に渡しました。(人間は死を恐れると財布すらも渡します)

 

 

銃を持っていた方のおじさんがなぜか、ぼくのアメリカ時代の免許証を確認。"なるほどな"といった表情で、ぼくの財布は無事に返ってきました。

 

 

そして、その間にJくんが"こんなことも想定して"と用意していた100ソル札(30ドルです)を強盗に手渡しました。さすが兄貴。

 

 

ぼくらの予想ですが、おそらく彼らは前編の投稿で立ち寄った"怪しい村"の住人でしょう。きっと、携帯、パスポート、クレジットカードをぼくらから盗ったところで使い道がありません。

 

 

そして、盗られたのは結局100ソルですが、彼らにとっては大金です。現金で100ソル札を渡せば十分だったに違いありません。

 

それでひとまず命が救われたわけですから

 

 

彼らは満足気な様子で、ボートに乗り込みましたが、まだ安心はできません。

 

ぼくらは"最後に撃ってくるんじゃないか? いよいよ殺されるんじゃないか?"と警戒して、いつでも川に飛び込める準備をしていました。

 

 

船がエンジンをかけ、出発した瞬間。

 

 

威嚇するように再び強盗が銃をこちらに向けてきました。おじさんはまたこの構えです。

 

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ほら来た。

 

"やばい、撃たれる!"

 

そう思い、ぼくらは再び川に飛び込み

 

 

パンパン!と二発ほど空に向かって威嚇射撃をしながら強盗たちは去っていきました。

 


これで、完全に無一文になった私たち。

 


これで、完全にメンタルが崩壊した私たち。

 


怖すぎて半泣きのぼく。

 

 

アマゾン川いかだ下りをしていて、一番怖かった事件です。

 

 

まだ半分の地点にも達していませんでしたが、完全に心が折れたぼくらは"もういかだ下りやめましょう"と話し、一度いかだ下りを止めることを決意しました。

 


やめよっかと話したいたところにブーーーーン!とまた聞いたことのあるボートの音が。

 


"あれまた?"

 


なんと、強盗が再びこちらへ戻ってきました

 


"いやだ、死ぬ"

 


そう思ったときにはぼくらのいかだの壁にボートが衝突していました。

 


続く

 

次回、強盗とまさかの展開に!

リンクはこちらから

 

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【前編】アマゾン川で先住民に襲われてマジで死にかけた話

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皆さんはアメリカの映画でてくるのような

 

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こんな大きな猟銃を向けられた経験がありますか? "金出せ!"って

 

実はアマゾン川でやられたんです、ぼくら。

 

とにかく、アマゾンは毎日恐怖との戦いでした。

 

マラリアやジカ熱などの病気はもちろん、

 

穴という穴から人間の内臓を中から食い尽くすと言われている人食いナマズ"カンディル"や有名なピラニ

 

そしてスコールや突風など警戒しなくてはいけない脅威は書いても書き切れません。

 

ただ、なによりもぼくが恐れていたのは

 

"人間"

 

山賊、先住民、ゲリラなど強盗という呼ばれる類の人間たちです。

 

そう、アマゾンで最も怖いのは人間なんです。

 

そして、僕らもいかだ下りの途中に遭遇しました。

 

強盗

 

人生初の強盗

 

強盗に遭うならブラジル辺りでやられるのかなと思っていたら

 

まさかのアマゾン川のど真ん中で

 

しかも旅をはじめてまだ一週間ちょっとだったのに、強盗に遭いました。

 

そして人生で初めて死を覚悟した瞬間でもありました。

 

"こんなに早く人生って終わるものなんだな"

 

 

事件が起きたのはいかだ下りを始めて4日目のことでした。

 

 

前回までの続きはこちらから

 

 

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この日は前日漂着したボロネシ村を出発して、ちょうど中間地点になるセンパヤ村を目指していました。

 

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(ボロネシ村で漂着した際の写真)

 

 

ただこの日も、とにかくいかだが進まない

 

前回の投稿でも書きましたが、昼間のアマゾン川は通常の流れに逆らって進む貨物線やボートのおかげで水が逆流し、いかだはまったく進まないどころか、岸の大木に引っかかったり、砂でできた浮島に打ち上げられたりして、とにかく進むことができません。

 

大木に引っかかって、木を切って、少し進んで、また引っかかっての繰り返し

 

昼間は間違いなく歩いた方が早く進めます

 

そんなことをしていると、小さな船にいかだ激突。

 

"うわ、やばい、これ絶対この辺に人いるやつだ"

と思い上を見ると、

 

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子供達、そして何事かと集まってくる人々、この日は名前もない小さな村に漂着したようです。

 

ただ、この村

何かがおかしい

 

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これまで見てきた村の人たちは、写真のような"The 先住民"という感じで

 

服も着てるか着てないかわからないようなレベルで、携帯なんてもちろん持っていませんでした。

 

ただ、この村はどこか違いました。

 

村の住民は皆綺麗な格好をしているし、スマホだって持っていました。

 

おかしい

 

そう思った自分は2人で行動するのを避けるために船で待機することにしました。

 

そして、相方のJくんは"ほな、とりあえず行ってくるわ"と村へ上陸、警戒していた自分は船で、見張りをすることに。

 

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ちなみに、村は至って普通だったようです(Jくん撮影)

 

約20分ほどでJくんは無事に戻ってきました。

 

ただ、Jくんの後ろには大勢の村人が

 

怖すぎる、上から袋叩きにされたら一発アウト(多分いい人達なんだろうけど)

 

そんなことを思いながらも、村長さんの指示で村の住民のうち2人がボートで僕らを川の真ん中まで引っ張ってくれることに。

 

ただ、片方は猟銃を担いでいて、僕らに警戒しているよう。

 

彼に水あげたときも、お菓子をあげたときも

 

"先にお前が食べてみせろ"

と毒物が含まれていないことを確認。

 

スペイン語もわからないので笑顔で受け答えようとすると

 

"おまえ本当にわかってるのか?" みたいな事を毎回言ってくる。いつ銃を向けられてもおかしくない状況です。

 

猟銃背負ってるし、まぁ怖いなと思いながらも、とりあえず無事にぼくたちは川の真ん中へ。

 

引っ張ってもらったボートと2人にお別れをし、ぼくらは冒険を再開、ただ川の流れと風向きは最悪。

せっかく真ん中に戻ったいかだも10分もすればまた岸に流れ出してしまいました。

 

ぼくらの視界から完全にボートと村が消えて10分少々、岸に徐々にいかだが吸い寄せられつつあるときでした。

 

遠くからブーン!!!!!ともの凄い勢いでこちらに向かってくるボートを発見

 

速いなとは思いつつも、まさかこのあとこちらへ突っ込むとは予想もできません

 

僕 "なんか速いですねあのボート"

 

J "本当やな"

 

そして、Jくんより視力のいいぼくが見つけてしまったんです。

 

"Jさん、あいつ銃持ってません?しかもこっちに向けてません?"

 

猟銃を構え猛スピードで近寄ってくるボート。

 

気づいた頃には既にボートは数十メートル先にいました。

 

ヤバい、死ぬ。

 

そう思い、自分は川に飛び込んだとき

 

バン!と

 

一発の銃声が。。

 

悪夢の始まりです

 

(後半へ続く)

 後半は下のリンクから!

 

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【脱出不可】ぼくたち、未開の村に迷い込みました

前回の続きです

http://www.shogoooo.net/entry/2018/07/15/001617

 

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人生で1番綺麗な朝日を眺めながら、生きてる実感が湧いた2日目の朝。

 

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初日にチコサ村の通過を確認した私たちは2つ目の村、ボロネシを目指しました。

 

初日と同じペースで進めば間違いなく到達できる距離ですが、この日気づいたことが1つ。

 

昼間のアマゾン川は川が逆流している。

 

箇所にもよりますが、エンジン付のボートが川の流れに逆らって進む影響からか、昼間のアマゾン川は基本的に不自然な流れをしています。 

 

昨日までの進み方が嘘のようです、この日はほとんど進むまず、プカプカと川の上に浮いているような感覚です。

 

そして、お昼を過ぎたころ、またアマゾンの天敵がやってきました。スコールです。

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(初日のスコールは夜でよくわかりませんでしたが、昼間のスコールはやはり迫力が違う)

 

船内はびしょ濡れ。

 

いかだはスコールや水流の影響もあり、完全に浮島でストップ。 

 

はじめは脱出を試みたものの、自然の力に逆らうのは不可能。ましては数トンあるいかだです。人間2人の力で動くはずもありません。

 

結局2日目はそこから一ミリも動くことなく、夜を迎えました。

 

しかし、スコールの影響で、床がびしょ濡れ、一睡もできずに3日目を迎えました。

 

3日目です。昨日までの雨が嘘のようです、またしても朝日は最高でした。

 

"今日こそは進まないと1週間でゴールできない"という焦りもあってか、この日はパドルを使って必死に前へ前へと進もうと試みました。

 

が、ついに大木と大木の間の沼のような場所にいかだが挟まってしまい、完全に動けなくなりました。

 

予定していた1週間で到着するのは絶望的になりました。 

 

とりあえず助けを呼ばなければ先に進めないということで、すぐ近くを走っていた高速船を呼び止め助けてもらうことに。

 

ただ、これが悲劇?のはじまりでした。

 

少しわかりづらいですが、地図上でみると、私たちが目指していたボロネシ村は本流沿いにあります。

 

googleマップを完全に信じていた私たちは高速船のスタッフさんに"ボロネシ村まで引っ張ってくれないかな?"とお願いしました。

 

彼らはこれまでも、そしてこの先も一生会うことのないであろうわたしたちアジア人を快く歓迎してくれ、ボロネシ村まで連れて行ってくれることに。

 

いかだと高速船をロープで繋ぎ、少しばかり陽気な旅のスタートです。

 

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(相方Jくんが乗客にギターを披露)

 

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(運賃の代わりだとやたらとタバコと水を求めてきた船長っぽい兄貴)

 

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ただ、やたらと走るこの高速船

 

そして気づきました。

 

このボロネシ村は

 

実はこのUの字になっている脇の水路の1番奥にあったんです!!!

 

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完全に終わった。

 

戻れない

 

高速船で引っ張ってもらった時間は実に30分近く。 とてもいかだを漕いで本流に戻れるような距離ではありません。

 

終わった〜 と思いながらも切り替えの早い私たち。

 

とりあえず村に上陸しました。

 

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(私が船を掃除している際に上からJくんが撮影)

 

食料の調達や、水浸しになったいかだの掃除をしたりして、再出発の準備をしました。

 

そして、数時間後わたしたちはボロネシ村を後にし、本流へ戻ろうと試みましたが、先述のとおり、とても戻れる距離じゃありません。

 

岸へ流され、なんとか水流に乗ろうとパドルを漕ぐも、数秒後にはまた岸へ。。。

 

 

スコールに打たれて、結局再出発から3時間近くボロネシ村から数百メートルのところで"遭難"していました。

 

日暮れが近くなったこともあり、私はギブアップ。

 

結局、ボートに乗っていた先住民にガソリン代15ソル(500円)を支払って、ボロネシ村へ戻ってきました。交渉の結果、翌朝本流までボートで連れていってもらうことに。

 

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(再上陸時、1回目の上陸で知り合った人が撮影。この村でも数少ないスマホユーザーでした、ちなみにこの村にはWi-Fiはありません)

 

昼間もそうでしたが、この村の人たちは本当に温かく私たちを迎えてくれました。

 

"明日の朝本流まで連れて行こうか?"

 

"バナナいる?"

 

"食べるものある?"

 

などなど、とにかく優しい

 

ただ、"いかだでプカルパ(ゴール)までならあと8日から10日かかるんじゃないかな!" と少しバッドな情報も。

 

この現実を受け入れたくないためか、私は4,5人の村人に"プカルパまでいかだで行ったら何日かかる?"と聞きましたが、皆返ってくる答えは

 

"8日!"

 

"10日!"

 

"2週間!"

 

でした。

 

この日の夜を境にわたしは1週間でプカルパに到着しようという目標を捨てました。

 

脱出不可能の村に遭難中です。

もはや何日かかるか見当もつきませんでした。

 

ただ、この日この村の人たちから受けた恩恵は今でも忘れません。

 

もう二度と会うことがない人たちだけど、言葉も通じない人たちだけど、心からありがとうを伝えて、4日目の朝6時、ぼくたちはこの村を後にしました。

 

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次回、アマゾン川いかだ下り史上最高の事件が起こります。

 

続く