【恐怖の宴】アマゾン川の強盗たちとお酒を飲んだ話
前回までのあらすじ。(リンクはこちら)
アマゾン川の源流、アタラヤ村から600km先の街"プカルパ"をいかだで目指す冒険。
第3の村センパヤ村を目指す途中、猟銃を持った強盗に襲撃され、無一文になった私と相方Jくん。現金を奪ってボートで逃げ去ったはずの強盗でしたが、彼らはなんと数分後に私たちの元へ再び戻ってきたのでした。
1回目の襲撃よりも明らかに速いスピードでこちらは向かってくるボートは、いかだの壁に衝突しました。
(ちょうどこの横の壁部分にボートが衝突し、壁が壊れました)
再び私たちのいかだに乗り込んで来た強盗2人組。
ただ、今回は銃は持っているだけでこちらには向いてません。
動揺する私たちに"まぁ落ち着いて、落ち着いて、大丈夫だから"といった様子でぼくらを落ち着かせて、おじさんが次に発した一言は衝撃的でした。
"なんかごめんね"
あれ???
強盗だよな? 強盗って人から物を奪ったら謝るのか?
"おれらも生活かかってるんだよね〜" みたいなことを真面目な顔で話し始めるおじさん。
状況がイマイチ把握できていませんでしたが、
血走った目をした若い子が"銃はおれが管理する"と言い、銃を手に取ろうするとおじさんは"いやこれはもういらない"と自分のボートに銃を置き、ぼくらを攻撃する気はないという意思表示をしました。
とりあえず、まだまだ怖かったので買っておいたピスコを差し出す私。
"まぁおまえも飲みなよ" と再びぼくとJくんにピスコを差し出すおじさん。
(このようなボトルに入ってるアルコール40%のピスコです)
完全にマンガで観たことのあるような世界です。(でも実話です)
その後、何処から来たのか、何日いかだに乗っているのか、どこへ行きたいのか、の他に"もう危ないから次の村でやめる"事も話しました。
おじさんはとにかく"悪い事してしまった"といった様子で何度も僕らに"悪かった"と謝ってきました。
謝るなら最初からやるなよ〜 なんてその時は思いもしませんでした。とにかく早く自分たちの元から去って欲しい、その一心です。
ただ、お金を返す気はもちろんなさそうです。
だって、彼らの言う通り強盗も生活かかってるもんねw
15分ほど酒を飲み交わした後、彼らのボートに引っ張ってもらい、川の真ん中に。ぼくらは結局彼らのおかげで、生きたまま冒険を再開できるようです。
そして、なぜか彼らと最後に握手を交わし、彼らは去っていきました。
忘れてはいけません。彼らは1時間前ぼくらに発砲した強盗です。
というアマゾン川で起きた嘘みたいだけど全部本当に起きた物語です。
その後、ぼくらは終始無言。やめる事だけを考えて通る高速船、タンカー1隻1隻に"Ayuda!!! (助けて)" と手を振り助けを求めましたが、彼らに声が届くはずもありません。
行き交うタンカーの操縦士たちは毎回笑顔で手を振り返してくれました。ありがとう
さて、助けを求めても中々助けてもらえないのが、いかだ下りです。
助けてもらうよりも、ゴールを目指していかだを流し続けたほうが速いかもしれないという結論に至り、この日から夜も停泊せずに暗闇の中いかだを流し続けることにしました。
夕方になり、蚊との戦いが終わり、とりあえずご飯でも食べて元気を出そうとしたときでした
そして、また新たなトラブルに気づいてしまったのです、、、
なんと、火を起こすための紙や段ボールが無くなっているじゃありませんか。
ご飯がない!
地獄の4日目、まだまだ続きます
次回: "アマゾン川、食糧不足編" です。
読んでいただきありがとうございました。