【脱出不可】ぼくたち、未開の村に迷い込みました

前回の続きです

http://www.shogoooo.net/entry/2018/07/15/001617

 

f:id:Sh_9513:20180717072736j:image

 

人生で1番綺麗な朝日を眺めながら、生きてる実感が湧いた2日目の朝。

 

f:id:Sh_9513:20180717072657j:image

 

初日にチコサ村の通過を確認した私たちは2つ目の村、ボロネシを目指しました。

 

初日と同じペースで進めば間違いなく到達できる距離ですが、この日気づいたことが1つ。

 

昼間のアマゾン川は川が逆流している。

 

箇所にもよりますが、エンジン付のボートが川の流れに逆らって進む影響からか、昼間のアマゾン川は基本的に不自然な流れをしています。 

 

昨日までの進み方が嘘のようです、この日はほとんど進むまず、プカプカと川の上に浮いているような感覚です。

 

そして、お昼を過ぎたころ、またアマゾンの天敵がやってきました。スコールです。

f:id:Sh_9513:20180717071043j:image

 

(初日のスコールは夜でよくわかりませんでしたが、昼間のスコールはやはり迫力が違う)

 

船内はびしょ濡れ。

 

いかだはスコールや水流の影響もあり、完全に浮島でストップ。 

 

はじめは脱出を試みたものの、自然の力に逆らうのは不可能。ましては数トンあるいかだです。人間2人の力で動くはずもありません。

 

結局2日目はそこから一ミリも動くことなく、夜を迎えました。

 

しかし、スコールの影響で、床がびしょ濡れ、一睡もできずに3日目を迎えました。

 

3日目です。昨日までの雨が嘘のようです、またしても朝日は最高でした。

 

"今日こそは進まないと1週間でゴールできない"という焦りもあってか、この日はパドルを使って必死に前へ前へと進もうと試みました。

 

が、ついに大木と大木の間の沼のような場所にいかだが挟まってしまい、完全に動けなくなりました。

 

予定していた1週間で到着するのは絶望的になりました。 

 

とりあえず助けを呼ばなければ先に進めないということで、すぐ近くを走っていた高速船を呼び止め助けてもらうことに。

 

ただ、これが悲劇?のはじまりでした。

 

少しわかりづらいですが、地図上でみると、私たちが目指していたボロネシ村は本流沿いにあります。

 

googleマップを完全に信じていた私たちは高速船のスタッフさんに"ボロネシ村まで引っ張ってくれないかな?"とお願いしました。

 

彼らはこれまでも、そしてこの先も一生会うことのないであろうわたしたちアジア人を快く歓迎してくれ、ボロネシ村まで連れて行ってくれることに。

 

いかだと高速船をロープで繋ぎ、少しばかり陽気な旅のスタートです。

 

f:id:Sh_9513:20180717071400j:image

 

(相方Jくんが乗客にギターを披露)

 

f:id:Sh_9513:20180717071449j:image

 

(運賃の代わりだとやたらとタバコと水を求めてきた船長っぽい兄貴)

 

f:id:Sh_9513:20180717072451j:image

 

ただ、やたらと走るこの高速船

 

そして気づきました。

 

このボロネシ村は

 

実はこのUの字になっている脇の水路の1番奥にあったんです!!!

 

f:id:Sh_9513:20180717072704j:image

 

完全に終わった。

 

戻れない

 

高速船で引っ張ってもらった時間は実に30分近く。 とてもいかだを漕いで本流に戻れるような距離ではありません。

 

終わった〜 と思いながらも切り替えの早い私たち。

 

とりあえず村に上陸しました。

 

f:id:Sh_9513:20180717071641j:image

 

(私が船を掃除している際に上からJくんが撮影)

 

食料の調達や、水浸しになったいかだの掃除をしたりして、再出発の準備をしました。

 

そして、数時間後わたしたちはボロネシ村を後にし、本流へ戻ろうと試みましたが、先述のとおり、とても戻れる距離じゃありません。

 

岸へ流され、なんとか水流に乗ろうとパドルを漕ぐも、数秒後にはまた岸へ。。。

 

 

スコールに打たれて、結局再出発から3時間近くボロネシ村から数百メートルのところで"遭難"していました。

 

日暮れが近くなったこともあり、私はギブアップ。

 

結局、ボートに乗っていた先住民にガソリン代15ソル(500円)を支払って、ボロネシ村へ戻ってきました。交渉の結果、翌朝本流までボートで連れていってもらうことに。

 

f:id:Sh_9513:20180717071803p:image

 

(再上陸時、1回目の上陸で知り合った人が撮影。この村でも数少ないスマホユーザーでした、ちなみにこの村にはWi-Fiはありません)

 

昼間もそうでしたが、この村の人たちは本当に温かく私たちを迎えてくれました。

 

"明日の朝本流まで連れて行こうか?"

 

"バナナいる?"

 

"食べるものある?"

 

などなど、とにかく優しい

 

ただ、"いかだでプカルパ(ゴール)までならあと8日から10日かかるんじゃないかな!" と少しバッドな情報も。

 

この現実を受け入れたくないためか、私は4,5人の村人に"プカルパまでいかだで行ったら何日かかる?"と聞きましたが、皆返ってくる答えは

 

"8日!"

 

"10日!"

 

"2週間!"

 

でした。

 

この日の夜を境にわたしは1週間でプカルパに到着しようという目標を捨てました。

 

脱出不可能の村に遭難中です。

もはや何日かかるか見当もつきませんでした。

 

ただ、この日この村の人たちから受けた恩恵は今でも忘れません。

 

もう二度と会うことがない人たちだけど、言葉も通じない人たちだけど、心からありがとうを伝えて、4日目の朝6時、ぼくたちはこの村を後にしました。

 

f:id:Sh_9513:20180717072420j:image

 

 

次回、アマゾン川いかだ下り史上最高の事件が起こります。

 

続く